なざーの落書き

戦車のことについて書いたり書かなかったりする

WGはどれだけ有言実行したのか

 はじめに

World of Tanks Advent Calendar 2019 10日目の記事です。

adventar.org

最初はここで長々と思い出話をするつもりだったし、実際4000字くらいのしょうもない記事を書いたが全部ボツになった。残念。

 

さて、WoTアドベントカレンダーということで、たまたまこういう企画を見つけたので参加させていただいた訳であるが、先駆者の方々の記事のレベルが高すぎて、自分はここで偉そうに記事を書いていいのだろうかと恐縮しています...(笑)

自分はこれまでの人達に比べてWoTに対する熱意、実力において圧倒的に不足しているので、WoTの極意的な記事は恐れ多くてとても書けない。そこで、今回はこれまでの方々とは見方を180度変えて、徹底的に後ろ向きな記事を書いてみようと思う。

ところで、

worldoftanks.asia

こういう記事がある。この記事は昨年2018年の12月に発表されたもので、2019年のWoTのアップデートの方向性についてWGが宣言したものである。そこで今回は、個人的に少し引っかかるところがあるので、この記事に書かれていることがどれだけ実現されたか検証してみることにする。

「2019年の展望」がどれだけ実現されたのか

プレミアム砲弾のバランス調整

上の記事によると、

プレイヤーの皆様が戦況に応じて弾薬を意識的に選択したくなるようなシステムの構築を目指しています。異なる弾種の利点を意識して弾種を選び、その選択結果を意識して戦略を立てることができるようにしたいのです。

(中略)

その結果として、以下のようなメカニズムになる予定です:

標準AP弾が費用とダメージ量の面で最も優れた砲弾に
1発あたりのダメージ量が高くてコスパに優れている半面、重装甲車輌に確実にダメージを与えるためには高い技術が必要です。
「特別砲弾」は重装甲車輌に対してとても優れた貫通力を発揮する
しかし1発あたりの費用が高く、標準AP弾よりもダメージ量が低くなります(25~30%)。
HE弾は目標の装甲厚を問わず、より高い確率でダメージを与えることが可能
装甲が脆弱な目標に対しては大変有効ですが、その反面、装甲貫通力が低く、障害物を撃ち抜くこともできないため、非貫通の場合には最小限のダメージしか与えられません。加えて、弾速の遅さも考慮しなければなりません。

(中略)

ぜひプレイヤーの皆さまのご意見をお聞かせください。皆様からの貴重なフィードバックを元に、引き続き「特別砲弾」のバランス調整を続けてまいりたいと考えております。今回の改良に対する皆様のご意見が好意的であった場合には、公開テストを実施させていただき、ゲームにどのような影響を与えるかを分析する予定です。

テストが計画通り進んだ場合には、各砲弾の性能や使用頻度に応じて砲弾の価格を調整する予定です。

 とのことである。

結局この金弾調整は未だに一切がゲーム内に実装されていない。ただし、この記事などを読んで頂ければ分かる通り、着々と開発は進められている模様である。この調子で進めていったらサービス終了までにこの調整が反映されるのかも怪しいレベルだが、この話は2020年に持ち越されたと言って良いだろう。

マッチングシステムの調整

上の記事によると、

2019年はマッチングシステムを大改造する年になるだろうと予告させていただきました。その予告通り、これからの1年間、マッチングシステムは大変貌を遂げます。

(中略)

目標
マッチング待機状況に応じて適切なテンプレートが使用されるようになる。
従来の3-5-7および5-10テンプレートに加え、新たにテンプレートを追加する。
- 2 Tier戦の場合は6-9や7-8
- 3 Tier戦の場合は4-5-6や5-5-5など
さらに2 Tier戦では、低Tierよりも高Tierの車輌の数が多いテンプレートも考えています。主に8-7テンプレートになると思います。 

 とのことである。

ちなみに前提知識として、2018年末段階では3-5-7マッチングが主流で、tier10がなかなかマッチングしないなどの問題があり、多くの戦車兵が一番やりがいがあるはずのtier10に乗ることを辞めるという異常事態が発生していた。

このマッチング調整については、早速年が明けてすぐの2月に実装されたらしい。しかし、この記事この記事以外のどこにも何をどう変えたのかと書いている記事を見つけられなかったので(見つけたら教えて欲しいです)、実際にどう変わったかは体感によるしかない。ただ、総じて3tierマッチが激減し、5-10マッチや単tierマッチが大半を占めるようになったという実感が皆さんにもあると思う。

ただしこの内容は先述の記事の内容とはやや異なるものであり、また自分としても記憶があやふやなものの、その後もう1度調整が来たような記憶があるが、そのことが書いてあるページが見つからないので分からない。

よって、マッチングシステムの改善については上の記事に書かれている内容とはやや異なるものの、概ね予定通り実装され、成功したのではないかと思う。少なくとも昔のMMに比べりゃ大分マシになったと思うよ。

フロントライン・モードの復活

これについてはもはや言及するまでもないような気もするが、上の記事によると、

フロントラインが2019 年の第1四半期に復活します!

フロントラインに多少の改善を加えておりますが、昔ながらのフレンドリーでアットホームな雰囲気はそのままです。マイペースに目標を達成していただけるよう中長期の目標を設けていますので、純粋にゲームを楽しんでいただけると思います。フロントラインは短期イベントではありません。1年を通してイベントが開催され、褒賞やボーナスが豊富に用意されます。

とのことである。

結局このモードは予定通り10ヶ月に渡って行われた。しかし、最初の1ヶ月はよかったものの、多くのプレイヤーが単調なゲームモードに飽きてしまい、マンネリ化してただのクレジット稼ぎにしか使われなくなってしまった。これについてはWGも新マップを追加したり、フロントラインEXPの取得率を調整したりしてどうにかしようとする努力は見られたものの、大体の趨勢は変わらなかったように思う。

車両バランスの調整

上の記事によると、

次の車輌を最優先でバランス調整します:

  • 「E 100」
  • 「IS-4」
  • Leopard 1」
  • STB-1」
  • 「Kranvagn」

 とのことである。

さて、実際はどうだっただろうか。

Kranvagnの調整については、アップデート1.5で、Leopard1とSTB-1の調整についてはアップデート1.6で実装された。この3両の調整は概ねユーザーにも好評で、成功したと言えるのではないだろうか。

しかし、残りの2両については一切調整は来ていないし、それどころかWGは調整する素振りすら見せていない。E100とIS-4の調整はかれこれこの3年くらいずっと言われているような気がするし、その間もどんどん他の車両に埋もれていっているような気がするが、WGはいつになったらこの2両を救済する気なのだろうか。

新車両の実装

上の記事によると、

2016年の末に実装したスウェーデン技術ツリー。2019年はこの国家に新たな車輌を追加します。来年はどのスウェーデン中戦車が新たに加わるのか、乞うご期待!

とのことである。このスウェーデン中戦車については、アップデート1.5で実装された。この車両群は最初こそ注目されたが、今ではもう他のtier10に完全に埋没している。

また、上の記事にはスウェーデン中戦車以外の今年実装された通常戦車であるドイツLTのHWK30、イギリスの走るゴミLT、装輪車両については一切触れられてない。装輪戦車については上の記事が発表された段階で既に実装が予告されていたのでいいだろうということなのだろうが、その他の車両についても触れてあげようよと思わなくもない。

新メカニズム

上の記事によると、

近い将来、新しいメカニズムをテストしたいと考えています。現在はまだ開発段階であり、その一切についてはお知らせすることができません。皆さまに発表できる日を心待ちにしながら、2019年は新メカニズムの開発を進めてまいります。発表の日をお楽しみに!

とのことである。

これって結局何のことだったんですかね。調べたら候補は出てくるんだろうがもう調べるのが面倒なので皆さんの想像に任せることにする。

ランク戦

上の記事によると、

ランク戦の新シリーズが2019年に開幕します。従来のバージョンとは大きく異なるものになりますのでお楽しみに!

(中略)

多くのプレイヤーの皆さまにとって最適な解決策を見出すべく、ランキングのメカニズムを全体的に見直し、4部門に分けることを決断しました。それぞれの部門は15ランクで構成されます。ランク15に到達するために必要なシェブロン数を減らしていますので、難易度が4倍に上がったわけではございません。ご安心ください。

新たな枠組み
最初は予選部門です。この部門は全員がゼロからのスタートです。ランク15に到達すると、次のブロンズ部門に進むことができます。

ブロンズ部門からが本番です!予選部門での成績に応じてシェブロンの取得難易度が変化するのです。

シルバー部門でも同じようにシェブロンの取得難易度がかわります。前の部門で実力を示せば、より多くのシェブロンを取得できます。

頂点のゴールド部門は最も難易度が高い部門です。トッププレイヤーでも自分の限界まで挑戦しなければこの部門でトップに立つことはできないでしょう。

 とのことである。

これについてはどうやら2019年前半の開催を目指していたようであるが、5月に一旦中止が発表された。この時はランク戦を心待ちにしていた上位勢の方々は発狂していた。

しかし、なんとか調整がうまくいったようで、11月~12月にかけて開催に漕ぎ着けた。上の記事とはやや異なる点もあるが、概ね発表通りの方針で行われた。自分はランク戦にほとんど触れていないので感想を書くのは恐縮であるが、概ね期待通りの内容だったのではないだろうか。

でもランク戦もそうだけど開催予定のイベントを2個も3個も開催直前にひっくり返すのは流石にユーザーからの信頼を失うと思うよ!

 CWEについて

上の記事によると、

 2019年1月にクランプレイヤーのイベントが開催されますが、そこで新しい褒賞車輌 「T95/FV4201 Chieftain」の発表を予定しています。本車はイギリスTier X重戦車です。堅牢な砲塔と単発ダメージ、分間ダメージ(DPM)のバランスが優れていることで定評があります。

 とのことである。定評がありますじゃねーよ。

このチーフテンが登場したのは、年が明けてすぐ、1月末~2月にかけてあったCWE「戦場の虎」においてのことである。チーフテンはそれまで集団戦で使われていたどんなHTよりも集団戦に適した性能を持ち、以後2回のCWEを経て多くのチーフテン以外の戦車を駆逐していった。これはWGが望んだことなのだろうか。多分そうなんでしょうね。ただこの集団戦観も最近進撃戦に出てたりするともう時代遅れな気がする。

ボンズショップ

上の記事によると、

 今年はゲーム内ショップを全面的に刷新し、ボンズを使用して各種のアイテム、拡張パーツ、ディレクティブを購入できるようにしました。2019年にはボンズで車輌を購入できるようにすることを計画しています。

(中略)

さらなる展望
ボンズショップへの車輌の追加は2段階に分けて実施します。第一弾は2019年春に、比較的お手頃な車輌の追加を予定しています。第二弾は2019年の後半に、より貴重な車輌の追加を予定しています。

さらに、アイテム等もボンズショップで購入できるようにすることを検討しています。また、ボンズの入手方法も徐々に拡充していく予定です。

 とのことである。

WGは春に実装すると言っておきながら延期に延期を重ね、結局10月末に上の記事における第1弾と第2弾の内容を一緒くたにしたようなものが実装された。それまでディレクティブとCWEの車両交換とボンズ拡張の購入というボンズの用途があったが、それが1個増えた形である。

ボンズショップでは、販売停止になった課金戦車のほか、121BやM60も叩き売りされている。CWEの報酬とランダム戦やランク戦で集められるボンズというのは大分性格が違う気がするので個人的には大分もやもやしている。

プレミアムアカウントの改良

上の記事によると、

 2019 年はプレミアムアカウントを根本的に見直す年になります。

(中略)

収入と利便性の向上
詳細についてはまだ検討中ですが、最終的な目標はプレミアムアカウントのメリットを高め、プレイヤーの皆様にとってさらに便利なオプションにすることです。新プレミアムアカウントでは様々な特典を考えています。皆さまからのフィードバックを参考にしつつ、検討を進めてまいります。

 とのことである。

この変更は、アップデート1.5で実装された。具体的には、リザーブ庫が追加されたり、ミッションでボンズが入るようになるなどした。これについては、やはりそれまでのプレ垢が既に不十分なものになっていただけに個人的にも、またユーザーの反応的にもよかったのではないだろうか。

カスタマイズ・スタイル

上の記事によると、

来年もより一層皆さんに喜んでいただけるようなカスタマイズや3Dスタイルの充実を目指してまいります。お楽しみに!

 とのことである。これについては、去年の暮れの段階ではtier8と10しかできなかった塗装が全tierにできるようになったり、各国家別のプリセットスタイルができたりとかなり充実したんじゃないかと思う。個人的には迷彩の中身とかにはあまり興味がないのでアレだが、それでも以前に比べて格段にラインナップが増えたという実感はある。

戦車レース

これについても言うまでもない気がするが、上の記事によると、

 2019年の計画をご紹介してまいりましたが、これだけではありません!2019年の目玉はなんといっても--戦車レースです!詳細に関しては今後のニュースをお楽しみに!

 とのことである。

戦車レースは2014年に開催され人気を博したイベントだが、今年の9月パワーアップして帰って来た。一緒にどっかのバンドとコラボしたりよく分からないミニゲームが付いてきたりとかなりの気合いの入りようだった。まあソシャゲを彷彿とさせるスタミナ制が導入されていたり事前登録していないと報酬が貰えなかったり首を傾げる点もあったが、概ね楽しく遊べることが出来たと思う。

結論

今年は最初の記事に書かれていない内容としては設計図や搭乗員スキンが登場したり(洒落じゃないよ)、マップBAN機能なんてのができたり、セッション統計が実装されたり、砂漠のゴミゴーストタウンや真冬のゴミハリコフが再登場したりした。個人的には湿地と聖なる谷とスターリングラード何も弄らずに返してほしい。

ここまで最初の記事の内容をくまなく見てきたが、概ね7割~8割程度は実装されたのではないだろうか。正直個人的にはもっと低いような気がしていたので、思ったよりは仕事してるなという印象だった。また、セッション統計やプレミアムアカウントといった痒いところに手が届くような更新もなされたので、そのへんはなかなかによかったんじゃないだろうか。

ただ、全体的に見て去年の暮れと今を比べてWoTというゲームが改善されたかというと首を傾げるところである。

「2020年の展望」

蛇足ではあるが、今年の9月のWG festでは早くも来年、2020年の展望も発表された。

worldoftanks.asia

ここにもなかなかに興味深いことが書かれてあるので少し中身を追ってみる。記事の本題から外れる上に、2019年の展望と重なる部分も多いので、気になった点だけをピックアップすることにする。

ミニゲーム

レースの時にガレージにくっついてたアレのことだろう。おっさんの顔がムカついた。

新車両:2連装砲

これについては実際に動画が発表されている。なかなかに興味深い感じだが、動画を見た感じイタリアローダーに近い感じになるんじゃないかなと思う。ただ主砲1本の戦車に見慣れてるからすごく見た目がキモいって感じるよね。

ハロウィーン

凄く著名な方にご協力賜ってたみたいですが...どうしてそうなってしまったのか

WGのWGたる所以を少し垣間見ることができた気がする。

アノニマイザー

個人的には相手が見えないって凄く怖いし、日本人の悪い癖なんだろうが身元を隠して出てこられると凄く不信感を抱いてしまうタチなので、感情的には割と受け入れられない。といっても今例えばCROWNやATLUSのクランタグを付けていたり紫ネームだったりしたら理不尽に色んな敵(たまに味方)から粘着されるのは疑いようもない事実なので、感情面を抜きにしたらこのような機能が実装されるのも仕方ないのかなというふうに納得はしている。

セッション統計

勝率や撃破数を表示してくれるようになるみたいなので、少し期待している。

のだが、個人的にはこのセッション統計機能が追加されたおかげでいつでも今の自分の戦績が見れるようになってしまったので、以前にも増して戦闘に出るプレッシャーが増大してしまった。戦績を過剰に気にする自分の悪い癖でもあるのだが。なので欲を言えばセッション統計を非表示にしてくれる機能が欲しい。

おわりに

お目汚し失礼しました。

WGは1.4くらいからアップデート宣伝記事を重要から外しているのでアップデートの記事を探すのが物凄く面倒だった。それ以外にも色々な所に記事が散らばっているので一々全部探す必要がありとっっっっっっっっっっても疲れた。

個人的にはクリスマスツリーとクリスマスガチャには一刻も早く帰ってきて貰いたい。

おまけ

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なんか謎機能見つけたので遊んでみた。Tiger1イメージして描いたんだけどなんなんだろうこれ